会社の財務は社長がどこまで理解すべき?【経営に必要な数字と財務の基本を解説】

会社の財務は社長がどこまで理解すべき?【経営に必要な数字と財務の基本を解説】 決算書

「会社の数字は税理士に任せているから、自分は詳しくなくても大丈夫」
「売上と利益だけ確認しておけば問題ない」

そう考えている社長もいるかもしれません。

しかし、会社の財務は税金を計算するためだけにあるものではありません。人材を採用するのか、設備に投資するのか、借入を増やすのか、新しい事業へ進出するのかなど、社長が行う経営判断の多くは会社のお金と深く関係しています。

実際、売上や利益だけを見ていても会社の本当の状態は把握できません。

利益が出ていても手元資金が不足することがありますし、PLでは好調に見えてもBSを見ると借入負担が大きい場合があります。

では、社長は会社の財務をどこまで理解しておくべきなのでしょうか。

この記事では、社長が知っておきたい財務の基本や見るべき数字、経営判断への活かし方について解説します。

会社の財務を社長が理解する必要がある理由

社長が会計処理や税務申告を自分で行う必要はありません。

仕訳や決算業務などの専門的な仕事については、経理担当者や税理士などに任せることができます。

しかし、その数字を使って経営判断を行うのは社長です。

例えば会社に3,000万円の現金があるとしても、単純に「お金があるから投資できる」と判断することはできません。

数か月後には給与や税金、仕入代金、借入金の返済などが発生します。

一方で、現金を残すことばかり考えて設備投資や採用を止めてしまえば、将来の成長機会を逃す可能性もあります。

社長に必要なのは会計の専門知識をすべて覚えることではなく、会社の数字を見て次の経営判断につなげる力です。

船井総合研究所も、経営者はすべての会計知識を習得するのではなく、自社の現状を把握し財務戦略に活用することが重要だと説明しています。

会社の財務で社長がまず見るべきPL

会社の財務を理解するなら、まず押さえておきたいのがPL(損益計算書)です。

PLを見ると、一定期間にどれだけ売上があり、どれだけ費用が発生し、最終的にいくら利益が残ったのかがわかります。

社長が特に確認したいのは、単純な売上高だけではありません。

売上総利益や営業利益などを確認し、「会社がどのように利益を生み出しているのか」を見ることが重要です。

例えば売上が前年比120%になっていても、原価や人件費が大幅に増えて営業利益が減っていれば、収益性は悪化しています。

「売上が増えたから順調」と判断するのではなく、利益まで含めて見る必要があります。

社長が会社の財務を見るならBSも重要

社長がPLとあわせて確認したいのがBS(貸借対照表)です。

BSでは、会社が保有する資産や負債、純資産を確認できます。

PLが一定期間の「経営成績」を表すのに対し、BSはある時点での会社の財政状態を表します。

例えば同じ1,000万円の利益を出している会社でも、借入金がほとんどない会社と多額の借入金を抱えている会社では財務状態が異なります。

社長が会社の安全性を考えるためには、次のような項目も確認しておきたいところです。

・現預金がどれだけあるか
・売掛金や在庫が増えすぎていないか
・借入金はいくらあるか
・純資産は積み上がっているか

決算書は単に税務署へ提出する書類ではなく、会社の収益力や安全性を判断し、次の経営判断につなげる資料として活用できます。

会社の財務で社長が見落とせないキャッシュフロー

社長が特に注意したいのが「利益と現金は同じではない」ということです。

例えば商品を500万円販売してPL上では売上になっていても、代金が2か月後に入金されるのであれば、すぐに500万円の現金が増えるわけではありません。

反対に銀行から1,000万円を借りれば現金は増えますが、1,000万円の利益が出たわけでもありません。

そのため会社経営では、利益だけでなく実際のお金の流れを見る必要があります。

TKCも、中小企業では売上や利益が出ていても資金繰りが悪化することで経営が行き詰まる可能性があり、社長が資金繰り・固定費・借入金・投資判断などを数字で把握することが重要だとしています。

社長は会社の資金繰りを把握しておく

会社のお金を管理するうえで重要なのが「資金繰り」です。

資金繰りとは、いつ、いくらお金が入ってきて、いつ、いくら支払いが発生するのかを把握することです。

資金繰り表を作成すると、将来的に資金が不足する可能性のある時期を事前に把握しやすくなります。

例えば3か月後に大きな納税と借入返済が重なることがわかっていれば、今の段階で資金を残しておく、売掛金の回収を早める、金融機関へ相談するといった対策を取れます。

一方、資金が不足してから銀行へ相談しても、希望どおりに調達できるとは限りません。

社長が将来の資金まで把握しておくことで、余裕を持った経営判断がしやすくなります。

会社の財務を社長が理解すると投資判断も変わる

財務を理解する目的は、「できるだけお金を使わない会社」にすることではありません。

会社を成長させるためには、人材や広告、設備、新規事業などへの投資も必要です。

重要なのは、

「何に投資するのか」
「いくら投資するのか」
「いつ回収できるのか」

を数字で考えることです。

例えば、新しい社員を採用すると年間500万円の人件費が増えるとします。

財務の視点を持っていれば、「500万円も費用が増えるから採用しない」と考えるだけではなく、その人材によってどれだけ売上や利益を増やせるのかまで考えられます。

財務はコストを減らすための知識ではなく、限られた会社のお金をどこに配分すれば成長につながるのかを考えるためのものです。

社長だけが会社の財務を理解していても不十分

会社がある程度成長すると、すべての経営判断を社長一人で行うことは難しくなります。

管理職や事業責任者にも、数字を見ながら判断する力が必要になります。

例えば営業責任者が売上だけを追いかけていれば、値引きを増やして利益率の低い案件を獲得してしまうかもしれません。

一方で、売上・原価・利益の関係を理解していれば、「いくら売るか」だけではなく「いくら利益を残すか」という視点を持てます。

中小企業大学校でも、決算書は社長や経理だけが見るものではなく、管理者やリーダーが自部門の成果を数字で把握し、改善につなげるための道具として位置づけています。

会社が成長するためには、社長だけが数字に強くなるのではなく、経営幹部や管理職にも財務を理解する人材を増やすことが重要です。

会社の財務を社長が学ぶなら「読む」だけで終わらせない

財務の勉強というと、PLやBSの読み方を学ぶことから始まります。

もちろん決算書を読めることは重要です。

しかし、会社を経営する社長にとって本当に必要なのは、その数字をつくる「意思決定」です。

例えば利益が減っているときでも、単純に費用を削ればよいとは限りません。

広告費を削った結果、将来の売上が減るかもしれません。

採用を止めれば短期的には人件費を抑えられますが、事業の成長スピードが落ちる可能性があります。

会社経営では、正解の決まっていない状況の中で判断する必要があります。

だからこそ、財務について学ぶ際は「数字を読む」だけでなく、「自分の判断によって数字がどう変わるのか」まで経験することが重要です。

会社経営と財務を社長目線で学べる戦略MG

会社経営と財務のつながりを実践的に学ぶ方法のひとつが、戦略MG(マネジメントゲーム)です。

戦略MGでは、参加者自身が社長となって会社経営を疑似体験します。

商品の仕入れや販売、設備投資、人材採用などについて自分で意思決定し、その結果として売上や利益、会社のお金がどのように変化したのかを確認します。

例えば売上を伸ばすために積極的な投資を行えば、うまくいったときには会社を成長させられます。

しかし、思うように販売できなければ、投資した分だけ資金に余裕がなくなるかもしれません。

反対に現金を守ることだけを考えて投資をしなければ、競合に成長機会を奪われる可能性もあります。

こうした判断を繰り返すことで、財務の数字と経営判断がどのようにつながっているのかを体験できます。

戦略MGなら社長だけでなく幹部にも経営視点を共有できる

戦略MGは、社長自身が財務や経営を学ぶだけでなく、管理職や幹部候補の育成にも活用できます。

会社のお金について社員へ説明するだけでは、「社長だから数字を気にしている」と受け取られてしまうこともあります。

しかし、自分自身が会社経営を体験すると、売上をつくること、利益を残すこと、資金を確保することの難しさを考える機会が生まれます。

社長と管理職が共通して経営・財務を学ぶことで、数字を共通言語として話せる組織づくりにもつながります。

企業成長戦略支援センターでは、全国各地で戦略MGマネジメントゲーム研修を開催しています。

戦略MGはボードゲームを使って決算書が理解できるゲームです。

初心者から経営者層まで幅広く参加でき、毎回多くの方が「数字に強くなった」「経営が見えるようになった」と好評です。セミナー情報はこちらに記載していますので、ぜひ参加してみてください。

まとめ|会社の財務は社長の経営判断に欠かせない

社長が財務を学ぶ目的は、経理や税務の専門家になることではありません。

PLから会社の収益力を確認し、BSから財務状態を把握し、資金繰りから将来のお金の動きを考える。

そのうえで、採用や投資、借入、新規事業などの経営判断に数字を使うことが重要です。

さらに会社が成長すれば、社長一人だけではなく管理職や幹部にも財務・経営の視点が必要になります。

戦略MGでは、自ら社長となって会社を経営しながら、経営・財務・戦略を実践的に学ぶことができます。

会社の数字を「税理士から説明を受けるもの」ではなく、「社長自身が経営判断に使うもの」へ変えることが、財務に強い会社づくりの第一歩です。

戦略MGは、経営・財務・戦略をゲーム形式で体験しながら学べる実践型の社外研修です。

数字に強い管理職や経営視点を持つリーダーを育成したい企業には特におすすめです。

企業成長戦略支援センターでは、全国各地で戦略MGマネジメントゲーム研修を開催しています。

初心者から経営者層まで幅広く参加でき、毎回多くの方が「数字に強くなった」「経営が見えるようになった」と好評です。ぜひ以下より開催情報をご覧ください。
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